概要
11月30日にMt.Shadow(@shaman_east)と千葉の田舎くんだりまで取材に赴き、多くの無の観測や撮影に成功した。
なお、全体の旅程については、彼が書いた以下の記事が写真も多く分かりやすい。この記事では全体についてなぞらないことにする。
旅のいろいろ
京葉線
検見川浜という駅の周辺では、昔ながらの団地(分かってほしい、公団住宅でいいのか?)があり、無骨な住居が朝日を浴びながら縦横無尽に並び立っている。いわゆるこういうのである。
直前にタキ1000形がドカドカ走っているのを見たり、そこらじゅう巨大な構造物しかない工業団地を見たりしてワクワクが止まらなくなっていた私は、これに本当に興奮し、通勤者が眠そうな顔で席に座っている車内で大騒ぎしてしまった。サラリーマン諸氏、平日に遊び歩く大学生を見せつけてごめん。
話は変わるが、つくばにも公務員住宅と呼ばれるバブルの名残がそこここに点在している。徐々に人がいなくなり、各所が閉鎖されていくさまを見ると、それはまさに無である。
これはつくば。
検見川浜の団地はどうなのだろう。写真を撮る暇も無かったので、もう少し取材する必要がある。
ちなみにいろいろ探してたらこういうのがでてきた。すごい。
あと、海外の公団住宅としては、こういうのがある。行きたい。
外房線
7時〜8時台の電車に乗っていると、中高生軍団が通学のため多数乗車する。真面目に単語帳を読む男子中学生とか、仲良しJK4人組とか様々いた。私は電車通学を経験したことがないのだが、車内では懐かしさのあまり60歳くらい若返っていた。
ただ、脚を組んでダラダラと態度悪く漫画を読んでいた男子中学生が、降車間際になっていきなり女子中学生になったのは驚いた。あれはなんだったんだ。
思うに、ここではまだ有があったのだろう。千葉は無と有が混在していることが分かった。
大原
何もなかった。歩けど歩けどまさに無である。いやまさか天の川鉄道乗車券でも買ってしまったのではないかと手元を見てみたが、何度見てもそれはモダンなSuicaカードであった。
11時から営業を始める漁港の食堂を恨みながら、優雅にコンビニ飯で朝食を済ます。ダラダラ歩いていたので次の電車に間に合わず、1時間以上足止めとなる。ここで原稿でも書き始めればよかったのだが、いかんせん歩きすぎて疲れてしまっていた。
次は車で来るといいと思う。駅の近くではレンタサイクルもやっていた。
いすみ鉄道
ホンモノの天の川鉄道乗車券を買い、我々はとうとう本当の無へと赴くことになった。
整理券発行機や扇風機スイッチなどあるが、バスでなく、電車でもなく汽車である。
久我原駅
線路が歪んでいる以外はだいたいいい景色である。
無から続き、無へと続いていく。
ぼっさんがいたので撮った。
いすみ鉄道はネーミングライツで食いつないでいるらしい。デンタルサポート大多喜駅というのもある。三育学院大学は後述。
神絵師は無から有を生み出せるのだ。
番号だけが書かれた地図。仲間にしか通じない暗号なのかもしれない。
久我原
「ひ」の字の夷隅川に囲まれた集落であり、大多喜街道側に2本の道路がある以外にほとんど出入り口が見当たらない。綺麗だが一切人の出入りが認められない家や、謎の竹林、多数の野ざらし防火水槽などがあった。住民はほぼ見当たらず、ここにも昔は有があったことを思わせる無がてんこもりである。
街道口の一つで、山を回る側である。
途中で京都に飛ばされた。
ひしゃげた鉄柵。雪かゴジラが来たのかもしれない。
「きけん」ではなく「きりん」である。久我原にはきりんさんがいる。
夷隅川にかかる橋。目標がないとすぐに引き返してしまうので、この橋は渡りきろうとMt.Shadowを引っ張ってきた。
なお、橋の名前は失念した。三育学院大学の建設に合わせて造られたらしく、それまで久我原から橋で出ることはできなかったようだ。三育学院大学はキリスト教系の看護学校らしく、寮もある閉鎖空間らしい。百合か、そうでなければ陵辱である。無の真ん中にそびえ立つ建築物を見ながら、我々は流刑地だった頃の筑波大学と同じものを感じながらしばらく涙していた。
犬がひたすら吠えていて、住民たちに我々の侵入を伝えているのだと思い身構えたが、30分ほどかけて無事に街道口へと戻ってくることができた。ただ、復路に直線の道路を選んだのだが、6万kmくらい歩いた気がする。たぶん呪いだ。
上総中野
観光で生活していくつもりのない街の冷たさを感じた。20分ほど前に電話して、今から行くぞと伝えた飯屋が閉まっている。コンビニは5km先だという。無ばっかりだ。
唯一面白そうなものとしてガス井とガス水というのがあり、無から有が湧き出ていた。そこらじゅうが臭かったが、まぁすごい。
これがガス井。ちょっと離れたところから川に向けて水がジョロジョロ出ていて、そっちがガス水というらしい。
彼らもおそらく高校生になったのだろう。
おわりに
とりあえず団地を絡めた話とか、閉鎖された村の掟の話とかは書く気になったので良かった。